認知症になる前に-認知症を予防しよう-

現在、認知症に対する決定的な予防方法は見つかっていませんが、認知症になりにくいとされる予防方法は少しずつ発見されてきています。認知症は年齢を重ねて突然発症するものではなく、50代後半頃から、徐々に始まると言われており、認知症予防を生活に取り入れることで、発症を遅らせたり、症状を軽くすることができます。健康で楽しい生活を送るためにも、今からできる予防法を生活に取り入れていきましょう。

1.生活習慣病の予防・治療

糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病にかかっている人は、認知症を発症しやすい傾向があります。これらの生活習慣病は、血管へダメージを与える病気であり、脳機能の低下を引き起こし、アルツハイマー病につながることもあります。生活習慣病を抱えている方は、認知症予防のためにも、まず生活習慣病の治療をしっかりと行いましょう。

2.適度な運動の習慣化

認知症の予防には、適度な運動も大切です。10分程度の軽いウォーキングでも、認知機能を高める運動としては効果的であるという結果も出ており、息が上がる程度の運動を週2回以上おこなうことが目安とされています。また、適度な運動は生活習慣病の予防にもなるため、習慣として定期的に行うようにしましょう。

3.バランスのとれた食生活

認知症の発症には、抗酸化物質の不足や脂肪の取りすぎ、ミネラル不足などの食生活の偏りが関係していることがわかっており、食事の内容や食べ方によっても、認知症の予防をおこなうことができます。血液をサラサラにしたり、脳細胞の働きを助けるなどの効果があるDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含む青魚や、脳神経細胞膜を生成するレチシンを含む大豆製品などを意識的に摂取するようにしましょう。ナッツ類を摂取することも認知症に効果的とされています。また、バランスのとれたメニューを考え調理することも、思考力を使うことから認知症予防につながります。食生活を見直すことは、生活習慣病予防にも効果が期待されるため、心がけて取り組んでみてください。

4.他人との交流をもつ

近年では「コミュニケーション」が認知症予防に関わっていることがわかってきています。他人とのコミュニケーションがないと、脳への刺激が減少し、脳機能が衰えてしまうため、認知症を発症しやすくなってしまいます。家族や友人とのコミュニケーションを心掛けるなど、少しずつコミュニケーションの場を増やしてみましょう。

5.達成感・生きがいをもつ

生きがいを持つことや達成感を味わうことは、生活に張りを持たせ、前向きで積極的な気持ちにしてくれます。生きがいがある人は、ない人と比べアルツハイマー型認知症になりづらいという研究結果も出ており、認知症予防に効果的であると考えれています。趣味やボランティア活動への参加など、自分にとっての生きがいを見つけてみましょう。

多くの病気と同様に、認知症も早期発見が大切です。日々の生活の中で、自分のできる認知症予防を行うことが重要ですが、もしも気になる症状があらわれたら、お早めに専門医を受診してください。なお、当院にご来院される場合は、初診の患者様は問診や診察に時間を要するため、診察を予約制とさせていただいております。

また、お電話にて看護師や心理士がお話をお伺いすることもできますので、ご来院・ご相談の際は、まずはお気軽にお電話にてお問い合わせください。

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