そよかぜ病院 Q&A #02 不安障害って?

■原因や根拠のない不安に襲われていませんか?

私たちが生活していくうえで、何かしら不安を感じることは、往々にしてあることであり、それは必要な脳の機能でもあります。
「○○であるから不安だ」といった対象がハッキリとわかっている不安感や軽微な不安感は、必ずしも病気であるとは言えません。

ところが、特定の状況に限定されず、根拠もなく様々な不安が沸き上がってきてしまう。
また、そういった不安が常に頭をよぎり、日常生活にも支障をきたしてしまう。

それは不安障害の症状かもしれません。
 

■全般性不安障害(GAD)とは

全般性不安障害とは、状況を限定せず、日常生活全般に対し、理由・根拠のない漠然とした不安や心配を慢性的に持ち続けてしまう病気です。
社交不安障害(SAD)やパニック障害は、不安を感じたり、症状を発生する状況がハッキリしていますが、全般性不安障害は日常の生活すべてが不安の対象となってしまいます。

例えば、
・外に出かけて事故にあったらどうしよう
・身体にちょっとした痛みがあったが、重篤な病気だったらどうしよう
などといった不安が頭に浮かび、深刻に悩んでしまうようになります。

また、日常生活に起こりえることに対する不安であるため、周りや患者さん自身も「性格が心配性なのだ」と思いこんでしまっている場合も少なくありません。
そのため、病気と気づかずに治療を受けていない方も多いと考えられています。

発症割合としては、男性に比べて女性のほうが1.5倍から2倍くらい多く、とくに大半は若い女性であり、10代で発症することもある病気です。

全般性不安障害は、発病すると不安による集中力の低下や、自律神経の変調、頭痛や不眠など、日常生活にも支障をきたします。
また、社交不安障害(SAD)やパニック障害などを併発する可能性もありますので、症状があらわれている場合は、お早めに受診することをお勧めします。
 

■全般性不安障害(GAD)の主な症状

〇身体症状

・頭痛、頭重感、頭の圧迫感や緊張感、しびれ感
・めまい、頭がゆれる感じ
・もうろうとする、自分の体ではないような感じ
・喉につかえた感じがある
・身体、筋肉が緊張している
・全身に脈拍を感じる
・便秘または下痢、頻尿

〇精神症状

・些細なことが不安になる
・常に緊張している
・そわそわ、いらいらしやすい
・根気がなく疲れやすい
・集中力がない、または心が空白になる感じ
・眠れない、途中で目が覚める、熟睡した感じがしない
・記憶力が悪くなった感じ
・悲観的になり、人に会うのがわずらわしい
 

■治療について

一般的に治療方法としては、薬物療法と精神療法を併用し治療を進めていきます。

〇薬物療法

心配事が尽きないうちは、お薬を使用することにより、心を落ち着けていきます。
抗不安薬や抗うつ薬など、症状や体質に合ったお薬を使用することで、身体の緊張感や心の不安感を取り除いていきます。

〇精神療法

認知行動療法を用いることで、物事に対する受け止め方や見方、感じ方を修正していきます。
認知の歪みを修正することで、不快な感情や、その感情から引き起こしてしまう行動などを軽減していき、症状を改善していきます。
 

■まずは生活スタイルの見直しから

心の病は、生活スタイルにも密接に関係しています。

・昼夜逆転の生活をしている
・仕事ばかりでゆとりや自分の時間が無い
・食生活の乱れやアルコールの飲みすぎ

など、このような生活をしていると、体だけでなく、心にもよくありません。

まずは、朝起きて日光を浴びる、適度に体を動かすなど、生活リズムを整えることを習慣づけましょう。

もし、一向に不安や心配が消えない、気持ちが重く日常生活に支障がでているという方は、一度、お気軽にご相談ください。

 

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