「そよかぜ病院」に隣接する関連施設、
介護老人保健施設「カサ・デ・エスペランサ」では、
現在、ベトナム出身の介護福祉士が2名、
正規職員として勤務しています。
近年、介護業界の人手不足は、全国的に深刻な状況にあり、
当施設においても、数年前より協議検討を重ね、
外国人介護士の受け入れ体制を整えてきました。
彼らは来日後、日本語学校にて1年、専門学校にて2年、
計3年間、勉学と仕事(当施設で2年間アルバイト勤務)を両立し、
日本語での国家試験を受験し合格、当施設の正規職員となりました。
二人の丁寧で実直な働きぶり、やさしい人柄は、
利用者の皆様からも評判がよく、
上司や他の職員からも高い評価を受けています。
先月、ベトナム人採用に関する知見を深めるべく、
理事長、事務長、担当部署師長、
外国人教育担当スタッフとともに現地へ視察に行きました。
二人には通訳兼ガイドを担ってもらいつつ、
3年ぶりの里帰りもしていただきました。
視察したのは、首都ハノイにある、
卒業後に日本での就職先も斡旋する日本語学校と、
老健施設です。老健施設は、三世代同居が一般的なベトナムでは、
日本に比べると数少ない珍しい存在とのことです。
日本語学校では、施設見学に加え、
学生さん達との交流もおこない、
純粋な想いや志を聞かせていただきました。
皆さん、とてもシャイで純朴な印象を受けました。
老健施設では、利用者の皆さんの生活の様子を
見学させてもらいました。
介護スタッフさんの表情や動きから、
利用者さんに対する敬意や大切に思う気持ちが、
伝わってきました。
今回の視察を通して、二人の優秀なベトナム人介護士を
育んだ背景や国民性に触れることができました。
ベトナムは、昭和初期の日本のように、
三世代の大家族での暮らしが基本で、
高齢者に接すること、お世話をすることは、
ごく自然で当たり前のことなのだろうと察しました。
また、家族を大事に思う気持ちが、
他者へのやさしさや気配りにもつながるのだろう、
と思いました。
外国人の雇用にあたっては、語学力はもとより、
日本の文化や習慣、立ち居振る舞いなどを継続的に身につけていただく、
きめ細やかな教育・サポート体制が必要不可欠です。
当施設では、今後とも、無尽蔵に雇用を増やすということではなく、
より優秀な人材をしっかりと選抜し、
施設全体にとって適正な人数を補強していきたいと考えています。
なお、「カサ・デ・エスペランサ」には、
現在研修中のベトナム人アルバイトスタッフが数名います。
同行した二人が、後輩達のより良き目標となるよう、
これからもひたむきに精進をしていただくことを期待しています。
最後に、ベトナム人職員の実家を訪ねた折りの写真、
また繁華街、料理の写真を記します。
現地の雰囲気を、少しだけ感じていただけたらと思います。