心療内科や精神科での治療をためらう理由として、薬中心の治療になるのではないか、
また一度薬物治療を始めると薬をやめられなくなるのではないのかといった、
薬に対する不安をお持ちの方も多くいらっしゃいます。
心の病を治すにあたり、薬以外の治療法もありますが、
薬を用いることも重要な選択肢のひとつです。
薬での治療をおこなうかどうかは、患者様やそのご家族とよく話し合ったうえでの判断となりますが、
正しい判断を行うために、まずは、薬を用いた治療についての理解を深めましょう。
■薬を飲まないと治らないの?
疾患の種類や症状の程度によっては、薬以外の治療法を用いる場合もあります。
例えば、問診やカウンセリングにより、不安症状の解決の糸口が見つけることができたり、心理療法などで症状が改善される場合です。
逆に、幻覚や妄想、また興奮状態が収まらないなど、事故や事件に発展する可能性がある場合は、薬物治療を優先的に用いる可能性もあります。
また、薬を用いる場合も、症状に改善が見られれば、それに合わせて薬の量を徐々に減らしていくなどの調整を行っていきますので、一度薬を飲み始めたからといって、ずっと同じ量の薬を飲み続けるとも限りません。
薬を使用した治療に抵抗がある場合は、そのことを担当医にも伝えたうえで、症状に合わせてベストな治療法を選択していくことが重要です。
■薬を用いることのメリット・デメリットは?
〇メリット
薬物治療をおこなうことのメリットは、比較的早く効果が表れるところです。
また、薬は量を調節することができるため、症状にあわせたベストな処置を行うことができます。
〇デメリット
薬物治療のデメリットとしては、以下のような副作用のリスクがあることです。
・めまい、ふらつき
・眠気
・頭痛
・倦怠感・便秘や下痢
・吐き気
・口の渇き
また、依存性もあるため、漫然と使用してしまうことで、薬の効きが悪くなったり、薬がないと不安になってしまうなどの場合もあります。
薬物治療を行う場合は、処方された用量を必ず守り、薬以外の治療も積極的に行うことが重要です。
■いつまで飲み続けないといけないの?
薬物治療で重要なことは、しっかりと薬を飲み続けることです。
症状がなくなったと感じられるようになっても、そこで薬をやめることで、改善していた状態が元に戻ってしまう場合もあります。
症状に改善が見られたからといって、自己判断で薬をやめたりせず、医師の判断を仰ぎながら薬の量を減らしていき、しっかりと病気を治していくことが重要です。
薬を使わずに治療できることが一番ですが、薬物治療への抵抗から診療が遅れ、症状が悪化すると、より治療に時間が掛かってしまうようになります。
薬を使うことへの抵抗から受診を迷われている場合は、まずは、心療内科を受診し、ご自身の症状やその程度、どのような治療法で改善できるかを医師に相談してみましょう。
なお、当院にご来院される場合は、初診の患者様は問診や診察に時間を要するため、診察を予約制とさせていただいております。
また、お電話にて看護師や心理士がお話をお伺いすることもできますので、
ご来院・ご相談の際は、まずはお気軽にお電話にてお問い合わせください。